引き継がれるもの



D.O.Mには、特別なファンがいる。
もちろん、ファンに優劣を付けるつもりはないし、マイケルファンのいない「アウェイ」の空間でパフォーマンスをする事の多い我々にとって、ファンだと言って下さる方はとても有り難い存在だ。

それはさておき
D.O.Mには、特別なファンがいる。
彼と初めて会ったのは、昨年の8月。
ちくさ座(千種文化小劇場)で開催された「今池娯楽館」。
僕たちのパフォーマンスに刺激を受けて、舞台に飛び出して来てしまったのが出会いだった。
彼、「らくちょ」は障がいを持っていて、見た目より心がずっと幼いままで、大きな音や、激しい動きに耐えられず、普段は逃げてしまうのだそうだ。
でも、その日は僕らのパフォーマンスを楽しんで、思わず飛び出してしまった。
迷惑をかけてしまって申し訳ないと後日親御さんから謝罪されたが、僕たちのパフォーマンスの楽しさがが伝わった結果だと思って素直に嬉しかったので、かまわないですよ。と伝えた。
それ以降、度々家族で見に来てくれるようになった。

らくちょはマイケルが大好きで、たくさん踊ってみせてくれる。
しかも、会う度に驚くほど成長していて、見ていて嬉しくなるほどだ。
上の写真の日は、遠く小原まで来てくれて、「Thriller」を踊ってみせてくれた。
お母さん曰く、そこまではっきりと分かるほどのThrillerを踊ったのは初めてらしく、チームの女性陣と泣きながら見ていた。


先日、9月22日に今池公園でのレクチャーショーにも来てくれて、実験的に実施した「来場者へのメイク」も体験してくれた。


左下がらくちょ。
大好きなSakuraとお揃いのメイクをご希望だったので、口裂けメイクだ。
そんな最中、僕がふとスリラージャケットがもうボロボロだから新調する、と言ったところ、らくちょママが古いジャケットを「ほしい」と言う。
合皮のコーティングがぼろぼろに剥げ、裏地もビリビリのジャケット。
ボロボロの赤ジャケ。お疲れ様。
聞くと、らくちょが大きくなったら着せて踊らせたいそうだ。
なんか、気恥ずかしいし、おこがましい気もしたけど、嬉しかった。
洗濯して、裏地もちょっぴり補修した。

誰かに憧れてもらえて、その人に伝えられるものがある。
舞台に立つ人間として、それはとても幸せな事なんだと思った。

いっぱい色んな物を見て
いっぱい色んな物に触れて
いっぱい色んな刺激を受けて
大きく成長したらくちょマイケルが、このジャケットを着てくれるといいなぁ。
そしていつか、大きな舞台に立つ日が来たら、新しいジャケットで踊ってね。
そのときは、僕がバックダンサーをするって約束した。

マイケルパフォーマーとして活動して行く上で
らくちょは、かけがえのない事をたくさん教えてくれる。
誰よりも純粋で、嘘のない瞳で見てくれるから、身を引き締めて、頑張ろうと思う。
らくちょにそっぽ向かれたら、そのときはきっと僕らが驕ったり、手を抜いたりしたときだ。
飽きられたりしないように、頑張らなきゃ。

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